僕はハンググライダー選手として「世界選手権でメダル獲得」を目指している傍ら、ハンググライダーの普及活動にも力を注いでいます。
「自然や地球を肌で感じることができて、普段の生活では絶対に出会えない感動を味わえる、こんなにも楽しいスポーツをなんでみんなやらないんだろう?みんなもやればいいのに。」
こんな想いから競技と普及に人生を注いでいます。
日本各地、世界各地を飛んできた僕が伝えたい”空の魅力”を8回に渡って伝えていきます。
今回は第6回目。地球の丸みを肌で感じるお話をします。
ガガーリンは言った「地球は丸かった」。
不正解。違いますよね。
「地球は丸い」と初めて言ったのはピタゴラスだとか。(ガガーリンは「地球は青かった」ですね)
僕たちは地球が丸いと事実を初めて理解するのは小学校の教科書でしょうか。
でも、それをはっきりと目で確認することはなかなかできない。
僕がはっきりと「地球は丸い」と自分の目で確認したのは、ハンググライダーで空を飛べるようになって1年くらいたった頃。
冬、茨城県のホームエリアからテイクオフし、サーマル(上昇気流)を捕まえる。
北東に進み海まで10kmくらいのところでコンバージェンスと呼ばれる風と風がぶつかって作り出された上昇気流に乗った。
みるみるうちに高度が1500m、2000mと上がる。
積雲を横目に2500m、3000mとどんどん上がる。
雲の上まで上がり、ふと太平洋の方を見ると明らかに湾曲している水平線が。
そう。地球は丸いことがはっきりと分かる。
「地球はやっぱり丸いんだ」
自然とそんな言葉を呟いていた。
ふと後ろを見ると一面に広がる雲海が。
前は果てしなく広がる水平線。後ろは光輝く雲のじゅうたん。
なんとも言いがたい贅沢な時間を味わった冬の一日だった。